[SABCS 2015] 第38回サンアントニオ乳癌シンポジウム
2015年12月8日~12月12日 San Antonio
ネオアジュバント療法後に胸部MRIを実施した浸潤性乳癌患者の治療成績:TBCRC 017の2次解析の結果から
Treatment outcomes in patients with invasive breast cancer treated with neoadjuvant systemic therapy and breast MR imaging: Results of a secondary analysis of TBCRC 017.
De Los Santos J, Hyslop T, Alvarado M, Forero A, Golshan M, Hieken T, Horton J, Hudis C, McGuire K, Meric-Bernstam F, Nanda R, Zagar T, Hwang S.
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局部に進展した乳癌のステージを低下させ、乳房温存手術を可能にするために、ネオアジュバント化学療法(NCT)が実施される。我々は、放射線診断による完全寛解(rCR)または病理学的な完全寛解(pCR)に達する割合には、手術術式による差がないことを報告した。今回、二次解析として、NCIの9施設で胸部MRIを実施した患者の治療成績を評価し、NCT後の手術術式の違いにより治療成績に差がみられるかどうかを検討した。
対象は、2002/1/1 — 6/16の期間にstage I - IIIの浸潤性乳がんと診断され、NCTとMRIを実施した1,077例で、計画していたNCTの80%以上のサイクルが完了していた症例とした。単変量解析と多変量Coxプロポーショナルハザード回帰分析を実施し、全生存期間 (OS), 無病生存期間 (DFS)および無再発期間(time to recurrence, TTR)を求めた。rCRは、治療後の胸部MRIで残存腫瘍の強調像がない状態と定義した。
早期患者の乳房温存療法の10年生存率は全摘術より良好:37,207例の研究から
S3-05: Higher 10-year overall survival after breast conserving therapy compared to mastectomy in early stage breast cancer: A population-based study with 37,207 patients.
van Maaren MC氏
Netherlands Comprehensive Cancer Organisation, Utrecht, Netherlands
早期乳癌に対する放射線療法併用乳房温存療法(Breast Conserving surgery +RT, BCT)での全生存期間(OS)は、放射線療法を併用しない全摘術(mastectomy w/o RT, MAST)と同等であることが無作為化試験で確認されているが、集団ベースで10年間の無病生存率(DFS)を解析した研究は少ない。van Maaren MC氏らは、BCTまたはMASTを施行したオランダ人の女性早期乳癌患者の10年後のOS、DFSを比較した。
方法は、2000年1月から2004年12月までの間にステージT1-2 N0-1 M0乳癌の診断を受け、BCTまたは MASTによる治療を受けた女性のデーターを"the Netherlands Cancer Registry"から抽出し、多変量Coxポヒュレーションハザード分析により、TおよびNのステージで層別化した10年OSを求めた。また、2003年に診断されたサブコホート集団において10年DFSを求めた。 対象となった37,207例中、21,734例(58.4%)にBCT、15,473例 (41.6%) にMASTを施行した。2003年に診断したサブコホート集団は7,552例でであった。