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学会レポート 世界各国の学会で発表された医療情報を掲載しています。

海外[SABCS 2014] 第37回サンアントニオ乳癌シンポジウム

2014年12月9日~13日 San Antonio

NSABP B-36試験:リンパ節陰性乳癌患者を対象に5-FU+エピルビシン+シクロホスファミド(FEC)療法6サイクルとAC療法4サイクルを比較する無作為化第III相試験

リンパ節転移陰性乳癌患者において、ドキソルビシン+シクロホスファミド(AC)療法4サイクルを対照に、5-FU+エピルビシン+シクロホスファミド(FEC)療法6サイクルの優越性を検証したNSABP B-36試験の結果が報告された。

■AC療法とFEC(100)療法のエビデンス

本試験で対照群に設定したAC療法4サイクルはシクロホスファミド+メトトレキセート+5-FU(CMF)療法6サイクルと比較して、リンパ節転移陽性例を対象としたB-15試験1)、リンパ節転移陰性例を対象としたB-23 試験で治療効果に有意な差を認めないことが確認されている2)

アントラサイクリンベースの6サイクル療法として、高リスクのリンパ節転移陰性患者を対象としたSWOG8897試験ではシクロホスファミド+ドキソルビシン+5-FU(CAF)療法6サイクルはCMF療法6サイクルに比べてOS延長効果に優れること5)、リンパ節転移陽性の閉経前患者を対象としたNCIC MA-5試験ではCMF療法6サイクルに比べてFEC120(エピルビシン120mg/m2)療法6サイクルの方が再発抑制効果は良好であることが示されている6)。また、リンパ節転移陽性例を対象としたFASG-05試験ではFEC100療法6サイクルはFEC50 療法6サイクルに比べてOS延長効果に優れることが示されアンスラサイクリンの用量依存性が示されたが7)、FEC(100)療法はFEC(120) 療法に比べて発熱性好中球減少症や口内炎の発現頻度が低い傾向にある6,7)。こうした知見から、アントラサイクリンベースレジメンのなかではFEC100療法6サイクルは有効性と安全性の観点から優れたレジメンだと考えられている。

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E1199試験の10年後の結果:リンパ節陽性または高リスクのリンパ節陰性乳癌患者においてドキソルビシン+シクロホスファミド療法後のパクリタキセルまたはドセタキセルの3-weeklyまたはweekly療法を比較した第III相試験

リンパ節陽性または高リスクのリンパ節陰性乳癌患者を対象にドキソルビシン+シクロホスファミド(AC)療法後のパクリタキセルまたはドセタキセルの3-weeklyまたはweekly療法を比較したE1199試験の10年後の長期追跡結果が報告された。

■E1199 試験ではAC療法後の最適なタキサン系レジメンを検討

E1199試験は、ステージIIA~IIIAの乳癌患者を対象に、AC療法後のタキサン系レジメンとして、パクリタキセルまたはドセタキセルの3-weeklyまたはweekly療法の治療効果を比較した第III相試験である。主要エンドポイントは無病生存期間(DFS)であった。2008年には、追跡期間中央値5.3年、無病生存(DFS)イベント1058件、死亡686例のデータに基づく解析結果が報告されている1)。今回は追跡期間中央値12.1年、DFSイベント1639件、死亡1283例に基づく解析結果が報告された。

本試験の対象となった患者の年齢中央値は51歳で、閉経前女性が46%を占め、リンパ節転移状況は陰性例が12%、陽性リンパ節1~3個が55%、4個以上が33%であった。ER陽性例は69%、HER2 陽性例は20%で、乳房温存術は39%で行われ、内分泌療法はタモキシフェン単独が37%、タモキシフェン‐アロマターゼ阻害薬逐次療法が58%、アロマターゼ阻害薬単独が5%を占めた。内分泌療法の施行状況は4群間で同様であった。

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