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学会レポート 世界各国の学会で発表された医療情報を掲載しています。

海外[ASH 2010] 米国血液学会

2010年12月4日~7日 Orlando U.S.A.

多発性骨髄腫に対する自家造血幹細胞移植の3つの導入療法(TD、VTD、VBMCP/VBAD/ボルテゾミブ)を比較した第III相PETHEMA/GEM試験

Laura Rosinol氏
PETHEMA/Spanish Myeloma Group, Hospital Clinic i Provincial, Barcelona, Spain

自家造血幹細胞移植(ASCT)は若年性多発性骨髄腫(MM)患者におけるファーストラインの標準治療である。ASCT後の完全寛解(CR)の達成は長期的な治療の奏効と生存延長を図る上で重要なステップであり、移植前の導入化学療法で腫瘍の退縮が得られれば、移植後のCR率の向上が期待できる。本試験では移植前の導入化学療法である、サリドマイド/デキサメタゾン(TD)、ボルテゾミブ/サリドマイド/デキサメタゾン(VTD)、ビンクリスチン+カルムスチン+メルファラン+シクロホスファミド+プレドニゾン(VBMCP)/ビンクリスチン+カルムスチン+ドキソルビシン+デキサメタゾン(VBAD)/ボルテゾミブ、の3つのレジメンの有効性と安全性を検討した。

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急性白血病患者における抗真菌薬の投与:臨床パラメータ、副作用、薬物相互作用および関連医療費を含む前向き解析

Barbara Metzke氏ら
Department of Hematology and Oncology, University of Freiburg Medical Center, Freiburg, Germany

免疫不全患者では侵襲性真菌感染症(IFI)の罹患率および死亡率が高く、予防および治療目的での抗真菌薬の投与の増加、またそれに伴う医療費の増加が問題となっている。また、寛解導入療法を受ける急性白血病(AL)患者や同種造血幹細胞移植(HSCT)患者で特にIFIのリスクが高いが、抗真菌薬の投与はさまざまな観点からの検討が求められる。抗真菌薬に関する臨床データは臨床試験の非常に選択的な患者コホートに基づくものであり、日常臨床で遭遇する典型的な高リスク患者に基づく比較データは少ない。

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骨髄破壊的前処置による造血幹細胞移植後のCYP2C19*2/*2接合体患者では全生存の著明な低下が認められる

Stacy E. Melanson氏ら
Department of Pathology, Brigham and Women's Hospital, Harvard Medical School, Boston, MA, USA

薬物代謝に関与する酵素シトクロームP450の対立遺伝子変異を有する患者では造血幹細胞移植(HSCT)後の予後が不良であり、シトクロームP450 2C19(CYP2C19)の機能喪失型対立遺伝子*2の保因者では死亡率が高いことが示されているが、その機序は不明である。免疫抑制剤シクロホスファミド(CPA)は、CYP2B6、CYP2C19により代謝されるが、個人の代謝能のいかんにかかわらず、実体重、補正体重、あるいは体表面積に基づいて投与されるため、薬物血中濃度の個体差などの問題のほか、肝静脈閉塞症(VOD)、心毒性、特発性肺炎症候群(IPS)などの重篤な合併症が投与患者の20%で報告されている。本研究では、CYP2B6およびCYP2C19の対立遺伝子多型が、HSCTに先立つ骨髄破壊的前処置(MAC)としてのCPA投与による毒性および全生存(OS)の予測因子となるか否かを検討した。

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同種造血幹細胞移植(HSCT)後の非再発死亡率(NRM)およびNRMにおける死亡原因の変化

Saiko Kurosawa氏ら
Hematology and Stem Cell Transplantation Division, National Cancer Center Hospital, Tokyo, Japan

近年、造血幹細胞移植(HSCT)では、移植前治療レジメン、HLAタイピング・ドナー選択、移植片対宿主病(GVHD)・感染症(ID)の予防および治療、支持療法などの進歩に伴い、若年寛解例における非再発死亡率(NRM)の改善が認められるが、高齢患者や同種HSCT後の非寛解例などにおけるNRMや全生存(OS)についてはこれまで検討がなされていない。

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未治療の若年びまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者において、リツキシマブ+大量化学療法はR-CHOP-14に有用性で及ばない:プロスペクティブ多施設ランダム化GOELAMS 075試験の予備解析

Noel-Jean Milpied氏ら
Service d'hematologie et de therapie cellutaire, Hopital Haut-Leveque, Pessac, France

Milpied氏らの研究グループは2004年に、成人未治療aggressiveリンパ腫に対する自家造血幹細胞移植(HSCT)併用大量化学療法(HDT)はCHOPに比べて無イベント生存(EFS)および全生存(OS)を延長することを示した(NEJM 2004; 350: 1287-1295)。また、同グループは2010年に、HDTにリツキシマブを追加投与すると(R-HDT)、さらに予後が改善する可能性を示した(BBMT 2010; 16: 672-677)。

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再発indolentリンパ腫、マントル細胞リンパ腫患者におけるベンダムスチン+リツキシマブvs.フルダラビン+リツキシマブ:StiLによるランダム化第III相NHL 2-2003試験の最終成績

Mathias J. Rummel氏ら
Department of Hematology & Oncology, Justus-Liebig Universitat Giessen, Giessen, Germany

再発・治療抵抗性indolentリンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)に対するベンダムスチン+リツキシマブ(B-R)の第II相試験の結果を受け、ドイツの研究グループ(StiL)はindolentリンパ腫、MCLにおけるフルダラビン+リツキシマブ(F-R)に対するB-Rの非劣性を証明するため2003年に第III相ランダム化試験(NHL 2-2003)を実施し、indolentリンパ腫、MCLにおけるB-Rの有効性および安全性を検討した。今回Rummel氏らは、その最終成績を報告した。

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