[AES 2016]第70回米国てんかん学会
2016年12月2~6日 ヒューストン(テキサス州、アメリカ合衆国)
てんかんの実用的な新しい定義
Jacqueline French (Department of Neurology, Department of Neurology, NYU School of Medicine, New York, USA)
新定義により初回発作後のてんかんの診断が可能に
てんかん発作は、「脳の過剰または同期的な異常神経活動によって生じる一過性の症状や徴候」と定義される1)。また、てんかんとは、少なくとも1回の非誘発性発作が出現し、発作が再発するリスクが高い状態にあることを意味する。一方、実用的なてんかんの定義として、数十年間にわたり、「2回以上の非誘発性てんかん発作の発生」が使用されてきた。しかし、他にてんかんを発症している十分な証拠がある場合には、2回目の発作を待たずにすぐに治療を開始すべきではないかと考えられる。
SUDEPの動向:はじまりから治療まで
Elson So (Mayo Clinic, Rochester, Minnesota, USA)
Sudden Unexpected Death in Epilepsy(SUDEP)の疫学
てんかん患者の予期せぬ突然死(SUDEP)の頻度はてんかん患者150例あたり年間1例と推定されている。フィンランドのSillanpaaらの報告では、小児発症のてんかん患者を40年間追跡調査したところ、SUDEPの発生リスクは約10%で、全死亡の約4 0 %を占めた(図1)1)。Terrenceらによる年齢別の検討では、SUDEPは若年層で多かった(図2)2)。また、Thurmanらの検討では、SUDEPの損失生存可能年数(Years of potential life lost:YPLL)は、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、アルツハイマー病よりも長く、脳卒中に次いで2 番目であった3)。なお、北アメリカや欧州で行われた調査では、てんかん患者の家族はSUDEPのリスクについて知りたいと考えており、専門医はSUDEPの予防につながるエビデンスを示しながら、リスクについて説明することが多い。
PEREAGAL研究:部分てんかんに対するペランパネル早期追加投与の6ヵ月後の予備的結果
Rodriguez-Osorio Xiana , et al (Neurology Department, Complexo Hospitalario Universitario de Santiago de Compostela, Spain)
焦点発作患者に早期からペランパネルを追加投与
<背景>ペランパネル(PER)はAMPA型グルタミン酸受容体を阻害する新規メカニズムの抗てんかん薬である。適応症は二次性全般化を含む部分発作および強直間代性発作に使用できる。 <方法>本研究はスペインのガリシア州の6施設が参加した1年間の多施設観察研究として実施した。対象は実臨床でPERを可能な限り早期に追加投与した部分てんかん患者とした。抗てんかん薬の使用歴は最大で2種類、併用薬として抗てんかん薬を1~2種類使用している患者を解析に含めた。評価項目はPERの有効性、忍容性、安全性、服薬アドヒアランスとし、本報告では予備的な検討として3および6ヵ月後までのデータを収集・解析した。
米国のてんかん治療におけるペランパネル導入前後の医療資源利用状況
Edward Faught, et al (Emory University School of Medicine, Atlanta, GA, USA)
リアルワールドの医療資源利用状況にペランパネルが及ぼす影響を検討
<背景>ペランパネル(PER)は、非競合型のAMPA型グルタミン酸受容体アンタゴニストで、二次性全般化発作を含む部分発作および強直間代性発作を有する12歳以上のてんかん患者に他の抗てんかん薬と併用して使用できる。PERは米国では2014年1月に経口剤として発売され、2016年4月には経口懸濁液が承認された。しかし、リアルワールドにおいてPERが経済的アウトカムに及ぼす影響は検討されていなかった。そこで本研究では、PERが全入院、てんかん関連入院、外来受診などの医療資源利用状況に及ぼす影響について検討した。


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