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マントル細胞リンパ腫に対するリツキシマブの効果

2011年8月30日

種々の臨床試験の結果から、リツキシマブは非ホジキンリンパ腫の全生存率を改善することが示されているが、マントル細胞リンパ腫(MCL)に関しては例外とされている。今回、この知見をSEER-Medicareデータを使って検証した結果が発表された(Blood. 2011 Aug 26. [Epub ahead of print])。

対象患者は、MCLと診断後180日以内に化学療法±リツキシマブで初回治療を開始した638例(診断時年齢中央値75歳)で、診断時(1999年1月~2005年12月)から死亡または観察期間終了時(2007年12月)までフォローされた。患者の75%がstage III/IVで、67%に節外浸潤が認められ、64%がリツキシマブによる治療を受けていた。初回治療の平均期間は21週間で、2群間に有意差はなかった。生存期間中央値は、化学療法のみの群が27カ月、リツキシマブ併用群が37カ月と、併用群が有意に長かった(p<0.001)。2年生存の多変量解析では、全死因死亡率(HR 0.58、95% CI 0.41-0.82、p<0.01)および、がん特異的死亡率(HR 0.56、95% CI 0.37-0.84、p<0.01)のいずれにおいても、リツキシマブと化学療法の併用群で有意に低い相関が認められた。

以上から著者らは今回の検証の結果、高齢のMCL患者に対する初回治療に化学療法とリツキシマブを併用すると生存率が有意に改善したと報告している。

医学ライター・田村敏彦

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