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果物は肺がんのリスクを減少させる?

2011年3月28日

β-カロテンの補助摂取に関する臨床試験や、最近の大規模前向き研究からは、野菜や果物の摂取による肺がんの予防効果に対して懐疑的な結果が得られている。今回、この争点を再評価する目的で、日本のグループから日本の疫学研究の結果をレビューした報告が発表された(Jpn J Clin Oncol. 2011 Mar 19. [Epub ahead of print])。データはMEDLINEおよび医中誌データベースの検索結果から、野菜または果物の摂取に関する6つのコホート研究と、4つの症例対照研究を抽出した。品目としては、多くの研究に含まれていた果物と緑黄色野菜に焦点を当てた。その結果、緑黄色野菜に関して報告している3つのコホート研究と2つの症例対照研究のうち、各研究とも1つの研究のみで肺がんリスクと緑黄色野菜の摂取に弱い負の相関がみられた。また、果物に関しては、4つのコホート研究のうち2つ、4つの症例対照研究のうち1つか2つが、肺がんリスクと果物の摂取に弱い負の相関を示した。果物摂取のメタ解析からは、果物の摂取は果物と野菜を両方摂取した場合に比較して、有意に肺がんの要約相対リスクを軽減することが示された。

医学ライター・田村敏彦

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