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喫煙者では関節リウマチに対する薬物療法の効果が弱まる

2011年4月11日

早期の関節リウマチ(RA)患者において、喫煙が治療効果に影響を及ぼすかどうかを検討するスウェーデンの研究結果が発表された(Arthritis Rheum 2011; 63(1): 26-36)。1996年から2006年に早期RAと診断され関節リウマチ疫学調査(EIRA)に組み入れた1,998例から1,621例の患者を登録し、1,430例を追跡調査した。そのうち873例は組み入れ時にメトトレキサート(MTX)単独療法を開始し、535例はその後、腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬による治療を開始した。

プライマリーアウトカムはEULARクライテリアによる治療3カ月時のgood responseとした。治療効果に対する現在・過去の喫煙の影響は、非喫煙者を対照群としたロジスティック回帰分析によって評価した。その結果、非喫煙者と比べ現喫煙者では、MTXによるgood response達成率は低く(27% vs. 36%、p=0.05)、TNF阻害薬投与後においても同様であった(29% vs. 43%、p=0.03)。臨床的、血清学的、遺伝的要因を考慮した多変量解析においても、現在の喫煙とgood responseとの負の相関が示された(MTXに対するgood responseの補正オッズ比0.60[95% CI 0.39~0.94]、TNF阻害薬に対するgood responseの補正オッズ比0.52[95% CI 0.29~0.96])。過去の喫煙に関しては、治療効果に影響を及ぼさなかった。

医学ライター・田村敏彦

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