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関節リウマチ患者はがんの発症リスクが高い

2011年3月28日

アジア人における関節リウマチ(RA)と悪性腫瘍の関係は、これまであまり検討されていなかったが、台湾における全国コホート研究で、関節リウマチ患者のがん発症リスクが検討された(Arthritis Rheum. 2011; 63(2): 352-358)。1996年から2007年まで台湾の国民健康保険データベースを利用して、悪性腫瘍の既往歴のない23,644例のRA患者を調査した。その結果、935例のRA患者でがんの発症がみられた。

RA患者のがん発症リスクは標準化発生比(SIR)で1.23(95%信頼区間[CI]1.22~1.23)であり、特に血液がんにおいてはSIRで2.74(95% CI 2.68~2.81)であった。一般集団と比較した相対リスクは若年患者のほうがより高く、また、観察期間が長くなるほど相対リスクは減少した。血液がんの中でも非ホジキンリンパ腫の発症リスクが一番高く、SIRは3.54(95% CI 3.45~3.63)であった。固形がんの中では腎がんと腟がん・外陰がんのリスクが最も関連性が高かった。RA患者では、子宮頸がんとメラノーマ以外の皮膚がんのリスクは減少していた。

医学ライター・田村敏彦

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